MiniMax H3 カメラ制御
H3のカメラ制御は、すべてプロンプトの文章だけで行います。しかも、モデルが認識するカメラの言い回しは決まっています。このページでは、MiniMaxが公開する20種類の動きをすべて一覧にし、振れ幅と速度でショットがどう変わるかを説明したうえで、カメラの指示文を自動で書き上げます。
カメラプロンプト作成ツール
動きを書けば、ショットになる
動きの種類を選ぶと、ガイドの書式どおりにカメラの指示文を書き出します。動詞、振れ幅、速度、そして動きの着地点までを含む指示です。出力は、そのまま実行できる完全なT2VAプロンプトです。
作成したプロンプト
H3が想定する3項目の形式で、英語で出力します。
integrated_multimodal_description: [Shot 1] Live-action, cinematic, a medium-wide shot frames a watchmaker at a cluttered bench under a single warm desk lamp. The camera pushes in with small amplitude at slow speed toward the open watch case between his hands. He sets down the tweezers and turns the movement a quarter turn to catch the light. overall_soundscape: A low room tone carries throughout, broken by the tick of the movement, the light clink of tweezers on wood, and a single chair creak non_diegetic_music: Sparse piano notes at a slow tempo with a sustained string pad underneathこのプロンプトで生成
このプロンプトを入力した状態でジェネレーターを開きます。
プロンプトのチェック
指摘事項はありません。このプロンプトはガイドに沿っています。
問題の切り分け
カメラが指示どおりに動かない理由
H3にはカメラを操作するウィジェットもジョイスティックもありません。カメラの指示はプロンプトの文章を通してしかモデルに届かないため、これは書き方の問題です。思いどおりにならないショットの大半は、次の3つの癖が原因です。
動詞を自己流で書いている
MiniMaxが公開しているのは、20種類の動きという決まった語彙です。「Camera moves left」はその中になく、「drone shot」や「slow zoom out effect」もありません。モデルは公開された言い回しで学習しているので、同義語を使うと効くかどうかは運次第です。下の表から選び、フレーズを書かれたとおりに貼り付けてください。
動きに着地点がない
MiniMaxが載せているカメラの例文は、どれも着地点で終わっています。着地点とは、フレームに入ってくるもの、レンズが最後に捉えるもの、動きによって現れるものです。方向だけでは、どちらへ動くかは伝わっても、どこで止まるか、何が大事かは伝わりません。その結果、カメラがふらついたり、ほとんど動かなかったりします。
カメラの指示がシーン描写に埋もれている
ガイドは、カメラの動きを文末にラベルとして並べるのではなく、ショットの中の自然な動作として書くよう求めています。「, cinematic, pan right, 4k, dynamic camera」で終わるプロンプトはスタイルタグの羅列と受け取られ、カメラワークは飾りとして扱われてしまいます。
早見表
H3が認識するカメラワーク全20種
H3が認識するカメラのフレーズを、MiniMaxがH3の公開ウェイトに同梱しているプロンプトガイドの4.3節から、そのまま載せています。「書き方」の列が、プロンプトに入れる文言です。一字一句そのままコピーしてください。
本体は固定、首振りかズーム
| 動きの種類 | 書き方 | 実際の動き |
|---|---|---|
| Zoom In | The camera zooms in | 本体は動かず、焦点距離だけが変わります。カメラが移動しないまま画角が狭まります。 |
| Zoom Out | The camera zooms out | 本体は動かず、焦点距離が広角側へ変わります。Pull Outとは別物で、見え方も異なります。 |
| Pan Left | The camera pans left | カメラ位置はそのままで、レンズを左へ振ります。 |
| Pan Right | The camera pans right | カメラ位置はそのままで、レンズを右へ振ります。 |
| Tilt Up | The camera tilts up | カメラ位置はそのままで、レンズを上へ振ります。 |
| Tilt Down | The camera tilts down | カメラ位置はそのままで、レンズを下へ振ります。 |
カメラごと移動する
| 動きの種類 | 書き方 | 実際の動き |
|---|---|---|
| Static Shot | The camera holds a static shot | カメラの位置もレンズも固定したままです。 |
| Push In | The camera pushes in | カメラ本体が被写体に向かって前進します。 |
| Pull Out | The camera pulls out | カメラ本体が被写体から遠ざかるように後退します。 |
| Truck Left | The camera trucks left | カメラ全体が左へ平行移動します。視点そのものを動かしたいときは、Pan Leftではなくこちらを使います。 |
| Truck Right | The camera trucks right | カメラ全体が右へ平行移動します。 |
| Pedestal Up | The camera pedestals up | カメラ全体が垂直に上昇します。 |
| Pedestal Down | The camera pedestals down | カメラ全体が垂直に下降します。 |
被写体を基準にした動き
| 動きの種類 | 書き方 | 実際の動き |
|---|---|---|
| Arc Shot | The camera arcs around the subject | カメラが被写体の周りを弧を描いて移動します。 |
| Tracking Shot | The camera tracks the subject | カメラが動く被写体を追いかけます。 |
| POV | The camera holds the subject's point of view | 画面が被写体自身の視点になります。 |
ロールと揺れ
| 動きの種類 | 書き方 | 実際の動き |
|---|---|---|
| Roll Clockwise | The camera rolls clockwise | カメラが光軸を中心に時計回りに回転します。 |
| Roll Counterclockwise | The camera rolls counterclockwise | カメラが光軸を中心に反時計回りに回転します。 |
| Shake Slightly | The camera shakes slightly | カメラが軽く揺れ続けます。 |
| Shake Strongly | The camera shakes strongly | カメラが激しく揺れます。 |
特に混同されやすいのが、PanとTruck、ZoomとPushの2組です。PanとZoomはカメラ本体を1か所に置いたまま、TruckとPushは本体そのものを動かします。そのため視差(パララックス)が変わり、まったく別のショットに見えます。
微調整
振れ幅と速度
完全なカメラの指定は、1つではなく3つの要素から成ります。動きの種類はカメラがどう動くか、振れ幅は構図がどれだけ変わるか、速度はその変化がどれだけ速く起きるかを決めます。ほとんどのプロンプトは、最初の1つしか書いていません。
振れ幅:画面がどれだけ動くか
「with small amplitude」なら構図は開始位置の近くにとどまり、「with large amplitude」なら大きく離れていきます。わずかな調整と、大きく振って見せる演出とを分けるのがこの設定で、速度とは独立して決められます。
速度:どれだけ速くたどり着くか
「at slow speed」と「at fast speed」です。振れ幅が大きく低速の動きと、振れ幅が小さく高速の動きは、まったく別のショットになります。どちらも使う価値があります。
中間は書かない
中程度の振れ幅と標準の速度は通常省略する、とガイドに明記されています。わざわざ書いても語数が増えるだけで、指示は増えません。しかも、カメラの指示文に含まれる余計な語は、どれも本当に意味を担う部分と競合します。何も書かなければ、既定の値になります。
文の形
タグではなく、動作として書く
カメラの動きは、ショットの描写の中に、自然な英語の動作として書き込みます。以下は、MiniMaxがガイドに載せている3つの例文を、そのまま引用したものです。
- The camera pushes in with small amplitude at slow speed toward the folded letter in her hands.
- The camera pans right with large amplitude at fast speed, revealing the open doorway.
- The camera holds a static shot as the runner exits the frame.
3つのカメラの指示文に共通する順序に注目してください。動きの種類、必要なときだけ修飾語、そして動きがたどり着く対象です。
最初に動きの種類
公開されているフレーズを一字一句そのまま使います。「The camera pushes in」「The camera pans right」「The camera holds a static shot」。
修飾語は意味があるときだけ
最初の2例は、ショットの出来を左右するので振れ幅と速度を含んでいます。3例目はどちらも省いています。固定ショットには修飾するものがないからです。
最後に着地点
「toward the folded letter in her hands」「revealing the open doorway」「as the runner exits the frame」。方向の指示をショットに変えるのは、この部分です。
限界
1つのショットでできないこと
1つのショットに入れられるカメラワークは1つです。「2秒間左にパンして、残りは右にパン」とH3に頼むことはできません。1つのショットの中で矛盾する指示は打ち消し合いやすく、結局カメラがほとんど動かなくなります。
代わりにカットを使う
動きが2つなら、ショットも2つにします。ガイドではカットをタイムスタンプ付きで書き、上の作成ツールでは2つ目のショットをオンにすると自動で追加されます。書き方は次のとおりです。
[Shot 2] At 00:04.000, the camera cuts to a closer angle on the same subject. The camera arcs around the subject.15秒を超える場合も、区間をまたいで同じ考え方が当てはまります。長尺動画プランナーは、長い作品をショットに分割し、ショット間のつながりを保ちます。
また、特定の動きではなく特定のフレームでショットを終わらせたい場合は、プロンプトの形式が変わります。詳しくは最初と最後のフレーム用プロンプト作成ツールをご覧ください。
1ショット最長15秒という上限はH3 Maxでも変わりません。速くはなっても、長くはなりません。
早見表よりも、こうした仕組みの背景を知りたいなら、記事「カメラワークのプロンプトが失敗しがちな理由」で、実例を使って順を追って解説しています。
カメラを言葉で説明するのではなく数値で配置したいとき、つまり静止したシーンの周りを正確に周回させたいときは、H3 Max Multi Angleを使います。こちらはこの語彙ではなく、カメラのキーフレームで指定します。
よくある質問
カメラ制御についての質問
MiniMax H3のカメラは、キー操作やジョイスティックで動かせますか?
いいえ。ホスト型のH3エンドポイントが受け付けるのはテキストのプロンプトだけなので、カメラの指示はすべてプロンプトに書き込む必要があります。言い回しの正確さが重要なのはそのためです。このページの語彙が、操作手段のすべてです。
「camera moves to the left」が安定して効かないのはなぜですか?
公開されている語彙にないうえ、意味も曖昧だからです。Pan Left(レンズの向きが変わる)とも、Truck Left(カメラ全体が平行移動する)とも取れますが、この2つは別のショットです。動きの種類を名前で指定すれば、両方の問題が解消します。
クリップの途中でカメラの動く方向を変えられますか?
1つのショットの中では変えられません。タイムスタンプで2つ目のショットにカットし、そのショット用の動きの種類を指定します。カットは上の作成ツールが自動で書き込みます。1つのショットに2方向を詰め込むと、たいていカメラはほとんど動かなくなります。
振れ幅と速度は、すべての動きの種類に使えますか?
いいえ。Static ShotとPOVは動きではなく状態を表すもので、Shake SlightlyとShake Stronglyにはそれ自体に強さが含まれています。ガイドが修飾語を定めているのは、残りの16種類です。
画像から動画でも、カメラの語彙は同じように使えますか?
語彙はまったく同じですが、その周りのプロンプトが変わります。画像から動画モードと、最初と最後のフレームを指定するモードでは、3つの主要項目の前に、それぞれ専用の参照画像の指示文が入ります。カメラワーク自体は、ここでの書き方とまったく同じです。
この一覧の出典はどこですか?
MiniMaxがH3のモデルウェイトと一緒に公開している『Video Prompt Writing Guide』の4.3節です。第三者のプロンプト集ではなく、モデル開発元自身のドキュメントで、このページから原文にリンクしています。
MiniMax Video Prompt Writing Guide · September 2026
動きを書いて、そのまま生成
作成ツールは、カメラの指示文まで含めて、H3が想定する形式の完全なプロンプトを出力します。そのままジェネレーターに送り、実際の映像でカメラワークを確かめてください。
作成ツールを開くたたき台になる完成済みのプロンプトをお探しですか?プロンプトライブラリには、アレンジして使える既成のシーンがそろっています。